仕事が終わらないとき、「今日は少し睡眠時間を削ろう」と考えることがあります。
起きている時間は増えますが、睡眠不足になると集中や判断がしにくくなり、かえって作業に時間がかかる場合があります。米国国立心肺血液研究所(NHLBI)も、睡眠不足によって集中、反応、意思決定、問題解決などに影響が出るとしています。
作業時間を増やすことだけでなく、翌日に動ける状態を残すことも仕事を進めるうえでは大切です。
睡眠不足で作業効率が落ちやすい理由
睡眠が足りない状態では、眠気を感じるだけではありません。
NHLBIによると、睡眠不足は集中や学習、記憶、判断などに影響し、作業を終えるまでに時間がかかったり、ミスが増えたりする可能性があります。
夜に1時間多く仕事をしても、翌日の作業速度が落ちれば、必ずしも全体の効率が上がるとは限りません。
睡眠を削って作業時間を増やすより、翌日に集中できる時間を確保することも効率化の一つです。

睡眠不足で起こりやすい3つの変化
睡眠不足の影響は、作業中のさまざまな場面に表れます。
特にデスクワークでは、集中、判断、作業速度への影響を感じることがあります。
集中が途切れやすくなる
文章を読んでも内容が頭に入りにくかったり、同じ場所を何度も読み直したりすることがあります。
集中しにくい状態では、普段なら短時間で終わる作業でも進みにくくなります。睡眠不足は、注意力や集中力に悪影響を与えることが知られています。
判断や確認でミスが増えやすくなる
疲れていると、入力内容を見落としたり、簡単な判断に迷ったりする場合があります。
NHLBIは、睡眠不足によって意思決定や問題解決が難しくなり、反応が遅くなったりミスが増えたりする可能性を示しています。
重要な確認が必要な仕事ほど、睡眠不足の状態で無理に進めないことも選択肢になります。
同じ作業に時間がかかる
睡眠時間を削れば、その分だけ仕事時間を増やせるように見えます。
しかし、集中できずに何度も手が止まったり、やり直しが増えたりすれば、結果的に作業時間が長くなることがあります。NHLBIも、睡眠不足ではタスク完了まで時間がかかる場合があるとしています。
睡眠時間はどれくらい必要?
必要な睡眠時間には個人差があります。
一つの目安として、CDCでは成人は1日7時間以上の睡眠を推奨しています。
ただし、「7時間寝れば誰でも十分」という意味ではありません。睡眠時間だけでなく、睡眠の質や生活リズムも関係します。
日中に強い眠気が残る場合は、自分に必要な睡眠時間を改めて確認してみましょう。
睡眠時間を削らないための小さな工夫
忙しい日にいきなり生活全体を変える必要はありません。
まずは、夜の作業を終える時間を決めるところから始めます。
起きる時間から逆算する
朝の起床時間が決まっているなら、必要な睡眠時間を確保できるように就寝時間を考えます。
NHLBIでは、できるだけ毎日同じ時間に寝起きすることを健康的な睡眠習慣の一つとして紹介しています。
夜にやることを減らす
寝る直前まで仕事や家事を詰め込むと、就寝時間が後ろへずれやすくなります。
今日中でなくてもよい作業は翌日へ回し、夜に終わらせるものを絞る方法もあります。
寝る前まで仕事を続けない
仕事を終えた直後に眠ろうとしても、頭の切り替えが難しいことがあります。
NHLBIは、就寝前の時間を静かに過ごし、明るい人工光を避けることなどを睡眠習慣として挙げています。
短い時間でも、仕事から離れる時間を作ってみましょう。
昼寝だけで睡眠不足を取り戻そうとしない
眠い日に短い昼寝をすると、一時的に注意力や作業能力が戻る場合があります。
一方で、NHLBIは昼寝では夜間睡眠のすべての効果を補えないとしています。

昼寝は睡眠時間を削るための方法ではなく、眠気が強い日の補助として考えるほうがよいでしょう。
まずは睡眠を削っている作業を一つ探そう
睡眠不足の状態で作業時間だけを増やしても、思ったように仕事が進まないことがあります。
集中しにくい、ミスが増える、いつもより仕事が遅いと感じたら、作業方法だけでなく睡眠も振り返ってみましょう。
まずは夜に行っている作業を一つ見直し、少し早く休める余地がないか確認します。
睡眠も作業効率を支える時間の一つとして考えることが、無理なく仕事を続ける助けになります。
睡眠の問題や日中の強い眠気が続く場合は、自己判断だけで済ませず医療機関へ相談することも大切です。


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